契約直後に支払要請 丹波市水道部職員・虚偽文書作成

2012.08.30
ニュース丹波市

 丹波市が昨年度に発注した市島地域の簡易水道事業の設計委託業務において、 市水道部職員が虚偽の検査調書を作成し、 全体の約4割しか業務を行っていない請負業者 「メイケン」 (神戸市東灘区) に委託料を満額支払っていた問題で、 市は8月28日、 同社の担当者から 「進捗に関わらず3月末に支払いをしてほしい」 旨の要請が、 契約を結んだ直後の昨年11月末ごろ、 市担当の主査 (40) にあったことを明らかにした。 また、 担当課長は、 検査調書を作成していながら契約期間終了時の正確な進捗状況を把握していなかったことも明かした。 辻重五郎市長は、 「関係した職員に対し、 厳しい判断、 処分が必要になってくる」 とし、 刑事告訴する考えがあることも示した。 同日開会の議会運営委員会、 議員総会で報告した。

 同業務の契約期間は、 昨年11月19日から今年3月23日。 契約金額は918万1200円で、 4月25日に支払った。 予定価格は、 3620万円。

 市の説明によると、 担当課長 (56) が同社から支払い要請があったことを知ったのは、 検査調書を作成した今年3月で、 主査から聞かされた。 主査は、 地元調整が遅れていたために同社に 「繰越でお願いしたい」 と説明。 これを受けて同社の担当者が、 3月末での支払いを要請したという。

 市は、 「主査は、 地元調整が遅れていたために業者が業務に入れないという引け目を感じ、 迷惑をかけてはいけないという思いが働いたようだ」 と説明。 担当課長は、 「業務が完了していないことは認識した中での検査だった。 市内でも多くの水道事業を手がけ、 事情も熟知した信頼できる業者だったため、 すぐに (出来高を) 取りかえしてくれるという甘い認識の中で支払った」 と話した。 これまでに出来高に対する部分払いをしたケースは 「たまにあった」 とも話した。

 また、 担当課長は、 契約期間が終了する3月末時点での実際の出来高について、 「3割ぐらい」 という認識でとどまっており、 同社が業務停止した6月27日時点で出来高を整理し、 市に報告した数字が 「40・3%」 だったという。

 

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