Categories: 記者ノートコラム

閉校を前に

 友だちと田んぼに向かって、「帰りましたー」と大声で叫び、地域のおじいちゃんやおばあちゃんが、「おかえりー」と優しい声。小学校の下校風景を思い出すと、必ずこのやり取りがよみがえる。
 今、私の地元にその光景はほとんどなくなった。
 少子化によって母校は閉校し、子どもたちはまちの中心部の統合校へ通っている。児童数が減ったことはもちろんだが、バス通学のため、地域を歩く姿が見られなくなった。
 自分の背丈ほどのリュックサックを背負って歩く子どもたちは、地域の宝であったし、優しさやつながりを運ぶ風でもあった。致し方ないこととはいえ、さびしいかぎりだ。
 篠山市では今春から2校が統合し、丹波市でも統廃合の議論が続く。閉校となる校区の人たちも同じさびしさを感じることになるだろう。
 しかし、黙っているだけでは、さびしさが募るばかり。地域のみなさんには閉校後も子どもたちと交流できるような企画や姿勢を持ってほしい。
 子どもたちは純粋で素直。良い関係づくりさえできれば、下校時でなくても元気な声を聞かせに来てくれるはずだから。(森田靖久)

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