良品を本場から発信 丹波栗の苗木を生産 「三栗園」設立

2014.05.01
ニュース丹波市

丹波栗の苗木生産グループ 「三栗園」 を立ち上げた吉竹代表、 足立さん、 河村さん (左から) =柏原町下小倉で

日本一の丹波栗の産地復活をめざし、 クリ生産に力を入れる取り組みが官民あげて行われるなか、 丹波市で良質の丹波栗の苗木の産地化をめざす苗木生産グループが立ち上がった。 丹波栗と合わせ、 本場からの 「丹波ブランド」 発信強化をねらう。

丹波市栗振興会の河村修治会長 (64) =柏原町大新屋=と丹波栗生産組合の足立義郎組合長 (61) =青垣町森=、 同振興会会員で、 苗木を育てた経験がある吉竹清志さん (73) =柏原町下小倉=の3人で、 「三栗 (みくり) 園」 を立ち上げた。

 県の丹波栗復活大作戦などで新植が増えているが、 苗は県外から買っていることや、 元氷上郡くり振興会長の寺内勝治さん (山南町岩屋) が亡くなって以降、 丹波市内では苗木を本格的に生産する人がいなくなったこと、 かつて柏原町上小倉―下小倉一帯が、 スギ、 ヒノキの苗木の産地だったことなどから、 柏原で 「本場丹波産の丹波栗の苗」 を作ることにした。
 吉竹さんが上小倉で実から育てたクリの苗木を、 下小倉の畑に移植。 この台木に、 河村さんと足立さんの農園で、 大粒で多収の実績がある 「筑波」 「銀寄」 の枝から取った穂木を約50本接ぎ木した。 この50本が1年後に製品第1号になる。
 これとは別に、 種に使うクリのサイズが、 台木の太さに影響を与えるのかを調べるため、 12グラム―25グラムとサイズの異なるクリ700粒をは種、 来年接ぎ木して生育を見る。
 河村さんは、 「苗を作りながら良い系統を見つけ、 それを増やし、 生産者に供給していきたい」 と言い、 足立さんは、 「養父市八鹿町朝倉の 『朝倉山椒』 の苗は全国的に有名。 丹波産丹波栗の苗木もそれを目指したい」 と笑顔。 三栗園の代表を務める吉竹さんは、 「本場で、 本物の良い苗をこだわって作りたい」 と意気込んでいる。
 県丹波農業改良普及センターの黒田英明さん (32) によると、 国内主要産地は茨城県、 福岡県、 岡山県など。 黒田さんは、 「穂木の形質が受け継がれるのがクリのおもしろいところ。 ここには、 良い穂木がある。 接ぎ木がしやすいのもクリの特性。 いい苗木ができるのでは」 と期待を寄せている。

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