ネットで売上2億円超 “外貨”獲得で雇用創出 小枕のTRYS


写真・年2億6000万円を売り上げる 「TRYS」 のオフィスは、 住居を利用したもの。 畳の上でスタッフがパソコンをはじく=兵庫県篠山市小枕で

 インターネットのショッピングサイトなどを運営する篠山市小枕の 「TRYS株式会社」 (太野垣勝弘社長) の昨年の売上が2億6000万円を突破した。 扱っている商品は地場産のものではないものの、 思いはネットを扱う地元に根付いた企業として、 「雇用の創出と地域の活性化」 に取り組むこと。 太野垣社長 (52) は、 「ネットがあれば、 篠山でも起業し、 利益を上げ、 雇用を生むことができることを証明し、 同じようにITで起業する人が出てきてほしい。 そして、 それが一つの産業として篠山に根付いていけば、 人口増や人口流出を防ぐことにもつながるのでは」 と今後の展望を描いている。

 同社が運営しているのは、 バイク、 自転車、 作業用などのヘルメットを中心に扱う 「まもる君」 と、 ワイングラスなどのワイン関連グッズを扱う 「ABC Wine」。 扱う商品数は合わせて1万3000点近くに上る。

 独自ホームページのほか、 「ヤフー」 や 「楽天」 「アマゾン」 などが運営するインターネット内のモール (商店街) を通しても販売しており、 2014年は計2億6438万円を売り上げ、 1500万円近い利益を上げた。

 元は保険外交員の太野垣社長。 3年ほど前にコンサルタント会社からの提案でネットを使ったウェブショップの運営に乗り出した。 「人口が減る篠山の中ではなく、 市外のお金を取りに行かなくてはならないと思っていた。 外貨ですね」 と振り返る一方で、 「インターネットはまったくの素人でしたが」 と笑う。

 もちろん順風満帆だったわけではなく、 月100万円の赤字を出したこともあった。 有名サイトを参考にしたり、 価格勝負路線を捨てたりと、 試行錯誤を繰り返し、 事業を軌道に乗せた。

 今では正社員3人、 パート2人を雇用。 転職し、 インターネット事業部のリーダーを務める松木祐太さん (27) は、 「私ももとは素人。 ネットに拒否反応さえなければ、 誰でもできる仕事だと思う」 と話す。 ほかのスタッフも、 Iターン農家や元事務員など、 多彩な顔ぶれがそろっている。

 年商2億超えにもかかわらず、 「まだまだ」 と言い、 「月商1億になって初めて一人前のウェブショップ」 と高みを目指す太野垣社長は、 「田舎でも、 誰でもできると思ってもらえるようなビジネスモデルになりたい。 IT企業がどんどん増えて、 篠山がアメリカのシリコンバレーのようになれば」 と意気込んでいる。