3Dと超音波導入 新型の内視鏡装置 県立柏原病院

2015.02.19
丹波の地域医療特集

 県立柏原病院は新たに、 3D内視鏡システムと内視鏡用超音波観測装置を導入した。 3D内視鏡は県内近隣地域の病院では初めての導入。 同病院は 「機器を利用し、 地域のみなさんに安全で質の高い医療を提供するよう努める」 としている。 導入費用は7200万円。

 3D内視鏡は、 開腹せずに手術する外科の 「腹腔 (ふくくう) 鏡手術」 などに用いる。 2重に映る画像を専用のゴーグルで見ることで、 奥行きのある3D映像で対象臓器の正確な空間把握ができる。 内視鏡の先端のカメラ部分が自由に動くため、 陰になり見づらかった場所も鮮明に見えるほか、 カメラにヒーターがついていることで曇りのない良好な視界が得られるという。

 胃がん、 大腸がんの早期、 ヘルニア、 虫垂炎、 胆石、 じんがん、 前立腺がん、 卵巣のう腫など、 外科、 泌尿器科、 産婦人科領域で役立てるという。

 大野伯和副院長 (外科) は、 「立体的に感じられ、 画像自体も鮮明になり、 非常に使いやすい」 と話している。

 内視鏡用超音波観測装置は、 消化管領域でのがんの深達度、 リンパ節転移の有無、 潰瘍の治ゆ判定などに用いる。 また膵臓胆のう領域での病変観察を内視鏡的に行うことができ、 高精度な診断を行うことができる。

 針の出し入れができる専用のスコープを使い、 粘膜下の細胞、 組織を刺して吸引し、 生検することで、 確定診断や正診率向上につなげる。 見つけにくい膵臓の腫瘍の発見がしやすくなる。

 西朗副院長 (内科) は、 「一般的な内視鏡で見られるのは表面だけだが、 粘膜下の深いところまで見れる。 数ミリの小さな病変を見つけられ、 その病変の組織を針で取ることで確定診断につなげることもできる。 ターゲットにしている腫瘍が出血しやすいかどうかなども判断しやすくなる」 と利点を話している。

 

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