倉庫でフクロウ育てる 氷上の谷垣さん

2015.05.24
ニュース丹波市自然

谷垣さんから箸で与えられるエサに食いつくフクロウ=兵庫県丹波市氷上町氷上で

ガス、 水道設備の 「たにがき」 (兵庫県丹波市氷上町成松、 谷垣忠春さん経営) の倉庫 (同町氷上) でフクロウのヒナ2羽が見つかり、 谷垣さん夫婦がエサを与え育てている。 見つけた当初、 体を覆っていた白い毛はねずみ色に変わり、 羽根も出てきて羽ばたくように。 「元気で巣立ってほしい」 と願っている。 近く訪れる別れに備え、 思い出の写真をたくさん撮っている。

5月3日に倉庫の床にヒナが1羽いた。 親鳥の姿は見えず、 飢え死にするのではと心配になり、 エサを与えることに。 鶏肉とアジを一口サイズに刻み、 はしでつまんでくちばしに近づけたところ、 ちゅうちょすることなく食べた。 食欲旺盛で、 与えるだけ食べたという。

毎日エサを運び、 10日ほどたった14日、 タイヤの上にヒナ2羽が並んでいた。 後から現れたヒナは最初に見つけたものより、 ひと回り体が小さかった。 同じようにエサを与えたところ、 こちらもよく食べ、 すくすく成長。 2羽とも少し飛べるようになり、 最近は、 倉庫の屋根裏から谷垣さんを見下ろしている。

カチカチとくちばしを鳴らす警戒音で、 居場所が分かる。 高い所にとまり、 手が届かない時は棒の先端に肉を刺して与えている。 ネズミが落ちていたことが1度あり、 親もエサを運んでいることが分かったという。

換気口くらいの穴があり、 ここから親鳥が出入りし、 倉庫のどこかに営巣したと見られる。 忠春さん (74) は、 2年前にも倉庫で親鳥を見たことがあるという。 「口元に運んでやらないと、 置いていただけではエサを食べない。 人間をこわがらずかわいいが、 かといって人になつく訳でもなく、 いくらエサをやっても、 私に近づいてくることはない」 と笑う。 妻の千津子さん (66) は、 「かわいい。 家に連れて帰りたい気持ちを我慢している。 うちに来てくれてありがとう」 と、 愛くるしい姿に目を細めている。

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