正一位梅田大明神(篠山市小原)

2017.06.29
中井一統特集

 国道173号から篠山市小原集落に入ってすぐの神社である。山裾の際にあり覆い屋があって、昼でも薄暗い。福知山市三和町兎原下の梅田神社の分霊を祀っている。梅田7社の1つであり、本郷の春日神社とは兄弟社である。現在の社殿は文化13年(1816)再建である。橋を渡った所にある鳥居の木の扁額には、正一位梅田大明神とある。
 兎の毛通しの鳳凰は面白い。背中に力神が乗っている。中央向拝には竜。覆い屋のおかげで舌、宝珠、“いらか”、そして鼻の先にも朱色が鮮やかに残っている。その上には力神が居る。木鼻は阿吽の唐獅子と獏である。ここの特長はなんと言っても霊獣の数の多さであろう。耳に朱色を色濃く残した尾垂木からの竜頭が14、兎が2、麒麟が2と多彩である。手挟みも4カ所ある。柏原の5代目中井正忠の晩年、6代目権次正貞の青年期の合作である。
中井権次研究家 岸名 経夫

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