ちるみゅー名誉館長 故・河合隼雄氏顕彰する記念館開設

2017.09.27
ニュース丹波篠山市


篠山チルドレンズミュージアム(=ちるみゅー、兵庫県篠山市小田中)内に9月24日、同館名誉館長を務めた篠山市出身の心理学者、故・河合隼雄氏を顕彰する記念館「河合隼雄の子ども部屋」(約35平方メートル)がオープンする。京都大名誉教授、文化庁長官などを務め、臨床心理学などの分野で数々の功績を残した足跡を、子どもたちにも分かるような表現や仕掛けで紹介。同館は、「篠山には、“心”を研究した人がいるということを子どもたちにも知ってほしい」としている。

河合氏の年譜に加え、河合氏の兄、雅雄さん、廸雄さんや、長男で河合隼雄財団代表理事の俊雄さんらが隼雄さんとの思い出を語る様子を描いたイラストを添えた。

スイスで学んだ隼雄氏が日本に初めて紹介した心理療法「箱庭療法」を説明するパネルや、実際の箱庭を展示。箱庭で使用している砂に触れられるコーナー「サンドタッチ」もある。河合氏が箱庭療法を学んだスイスのドラ・カルフ氏から贈られた貴重な箱庭療法用のオブジェも展示する。

河合氏が勧めていた子ども向けの本などを並べた「河合隼雄文庫」を設けたほか、「家庭画報」に連載中で遺作となった自伝的作品「泣き虫ハァちゃん」をダイジェストにした紙芝居も展示。ボランティアスタッフと交流したり、講演する様子を撮影した写真や、その生涯をまとめたスライドショーも見られる。ストーブにかけたやかんの取手を押すと、河合氏の講演音声が流れる「しゃべるやかん」のコーナーは、ジョーク好きだった河合氏を偲び、遊び心のある演出にした。

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