市島町中竹田の石像寺 豪雨被害の修復が完了

2017.12.06
丹波の豪雨災害特集

大きな被害を受けたものの、修復工事が完了した石像寺。手前が石庭「四神相応の庭」=兵庫県丹波市市島町中竹田で

3年前の丹波市豪雨災害で本堂や位牌堂などが大きな被害を受けた「石像寺」(兵庫県丹波市市島町中竹田、佐久間正昭住職)の修復工事が完了し、来年1月20日午前10時から同寺で修復落慶法要を営む。同寺の名高い石庭「四神相応の庭」も元通りに修復。被災から間もない時期に当時の同寺役員で修復委員会を立ち上げ、復旧に向け力を注いだ。佐久間住職(75)は「被害が大きかったものの、早期に修復していただいた。檀家や修復委員会、ボランティア、業者らの尽力のおかげ。お見舞金や義援金もお世話になり、お礼の言葉は尽きない」と話している。

災害では、裏山の崩落により、土砂や流木が流入。1879年建築の本堂に加え、位牌堂や禅堂も天井近くまで土砂が堆積した。位牌や法具、仏具なども埋まり、災害のあった2014年春に改築したばかりの庫裏も床上浸水の被害にあった。昭和を代表する作庭家・重森三玲氏による「四神相応の庭」に加え、俳人・西山泊雲や高浜虚子らの句碑が並ぶ庭「霧海の庭」も土砂を被った。

災害後、延べ730人ほどのボランティアらによって土砂撤去が行われ、同年9月には修復委員会(高橋信二委員長)を立ち上げ、復旧に向け協議を重ねた。本堂は柱をジャッキアップして沓石を設けて補強したほか、床下には鉄筋を入れた。建具や畳などは新調。埋もれた位牌や仏像のほか、600巻のうち半分ほどが水につかった経典「大般若経」も可能な限り修復した。

「四神相応の庭」「霧海の庭」は土砂に埋もれたものの、石組や句碑は無事だったため、周囲の砂を入れ替えた。

高橋委員長(82)=同町中竹田=は、「ようやくここまで来たという思い。大勢の協力がなければ修復までたどり着けなかった」と感謝している。

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