角竜頭骨を発見 人と自然の博物館 川代トンネル工事で

2018.02.04
ニュース丹波篠山市

 兵庫県立人と自然の博物館は1月30日、篠山市大山下の前期白亜紀(約1億4500万年―9960万年前)の地層「篠山層群大山下層」(約1億1000万年前)から、トリケラトプスなどで知られる角竜類の年齢の異なる3個体の頭骨化石の一部などが見つかったと発表した。同博物館の三枝春生主任研究員は、「同一種と思われる角竜類の化石が複数、それも年齢の異なるものが国内で見つかったのは初めて」といい、「成長段階が異なる、しかも頭骨という情報量の多い部分の化石が複数発見されたことで成長の過程や性差、食性や習性など、恐竜の生活史を探る研究が国内産恐竜化石として初めて可能となった。今後の研究を飛躍的に高める発見だ」と話している。

今回見つかった角竜類は、トリケラトプスに代表されるネオケラトプス類の中でも原始的な種と考えられる。小型の植物食恐竜で、トリケラトプスのように目立った角はなく、えり飾りもあまり発達していなかったとされる。

角竜類3個体分の化石は、篠山市大山下で工事が進む川代第1トンネルを掘削した際の岩屑から発見された。

▽長さ約9センチと約4センチの歯骨▽長さ約3センチと約4センチの翼状骨▽幅約2センチの前顎骨―をはじめ、前頭骨や椎骨、歯など、頭骨を構成する骨の化石が、3つの岩塊の中から見つかった。

2008年、大山下の篠山川河川敷の泥岩層から、大山小学校の児童によって小型獣脚類(肉食恐竜)の歯の化石が発見された。この化石含有層(大山下層)が北東方向へ延長していることから、研究員らは、15年から工事が始まった同トンネルが化石含有層を横切ると予想。「掘削する際、岩屑を保管してほしい」と、事前に丹波土木事務所に依頼していた。

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