10年前の板門店(パンムンジョム)

2018.02.26
未―コラム記者ノート

 10年前、韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事境界線上にある「板門店(パンムンジョム)」に行った。
朝鮮戦争の停戦ライン上に設置され、両国の共同警備区域になっている場所。韓国軍を中心とした国連軍と、北朝鮮の軍人が対峙してにらみを利かせており、独特の緊張感がただよっていた。

 韓国側からバスで訪れたが、現地では服装や行動に規制があり、大声を出したり走ることは許されず、北朝鮮の軍人を指さしてはいけないと注意があった。北朝鮮側から「挑発を受けた」と口実をつくられないためという。10年前と北朝鮮の最高指導者は代わったが、板門店の緊張感は今も変わっていないだろう。

 さて、きょう閉会式を迎える平昌五輪。“平壌五輪”とも揶揄されているように、北朝鮮による五輪の政治利用ともとれる動きに注目が集まった。核・ミサイル問題に伴う国際的圧力の緩和にと、ここぞとばかりに外交戦略として打って出てきたように感じる印象だ。

 2年後は東京五輪、4年後の冬は北京五輪と、東アジアでの開催が続く。丹波地域勢の出場と活躍を素直に喜べる情勢であれば。(田畑知也)

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