ぼちぼち歩もう

2018.03.15
未―コラム記者ノート

 水ぬるむという表現があてはまる季節になった。雪は少なかったが、とにかく寒い冬だった。日の出も早くなり、ラジオ体操前に、昇る太陽を見ていると躍動感を覚える。

 そんな自然の動きの中で、人間にも活気を呼び込む。卒業、入学の春、色々な団体の役員も入れ替わる。様々な縁によって生かされているのが人間。男女の結びつきなどで、「縁は異なもの味なもの」という言葉が使われるが、性格や考え方の違う人同士が混ざり合うなかに面白い発想が生まれるだろう。

 ラジオ放送局FM805のある日の放送で、丹波地域外から移住してきたパーソナリティが「なかなか地域になじめない」という悩みを先輩移住者に打ち明けた時、「なじめなくてもいいよ。私も長いこと住んでいるけどそんなになじんではいない」とアドバイスを受け、「ほっとした」という話を紹介していた。

 新しい世界になじもうと一生懸命になることはいいことだが、自分も周囲もしんどい。肩の力を抜き、自然の息吹を感じて過ごしたい。関西風に言うと「ぼちぼち」と行きたい。「ゆっくりと歩む人に友が寄る」。(臼井 学)

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