雛祭り

2018.03.22
丹波春秋

 篠山の雛祭りを見に、メーン会場の福住の住吉神社へ。社務所の玄関を上がると、両脇に地元の家々から出された雛飾りが、時代の古そうなものから比較的モダンなものまでぎっしり並んでいた。

近くの東雲高校の生徒が出品した、太い割竹に収まったミニ飾りも心をなごませてくれる。

 開け放した部屋の向こうから、著名な作庭家、重森三玲が手がけた「住之江の庭」が目に飛び込んできた。宮司が不在となり近年荒れがちになっているのを、文化庁の支援事業で修復を始めるそうだが、波紋を描いた白砂の造景は十分に美しい。

 大阪、神戸あたりからの客も多く、「数年前に周辺の町並みが伝統的建造物群保存地区に指定されて以来、地域全体を盛り上げていこうという機運が起き、ビアガーデンやコンサートを開いている」という住民の人達の説明に熱気を感じた。

 3月24日からは柏原でも商店街あげての、「つるし雛めぐり」が計画され、プレイベントが始まった。1年がかりで作ってきた、鶴や花、人形ほか様々な縁起物を長いひもでつるした飾りを、雛人形や稲畑人形と共にあちこちの店に展示。手仕事体験や食べ歩きツアーも出来る。

 子供の成長の無事を祈って江戸時代から営まれてきた雛祭りが少子高齢化の今、町の再生策として受け継がれようとしている。(E)

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