忖度の意味

2018.04.07
未―コラム記者ノート

 森友学園問題で「忖度」という言葉が広まった。大阪では「忖度まんじゅう」が売れているとか。何でも商売のネタにする大阪商人特有のしたたかさという感じがする。

 考えられないような公文書の改ざんのニュースを見ていると、学生時代に教わったことを思い出した。「公務員がなぜ公平性を欠いてはいけないのか」ということに対し、講義した教授は「様々な情報を知り得る立場にいるのが公務員だから、恣意的に物事を運ぶと大変なことになる」という意味のことを言われていた。

 40数年前のことなので、鮮明には覚えていないが、この言葉が脳裏をよぎった。まさしく今回の事案に該当する。外から見えづらい世界の悪しき慣行なのか、政治家など外部の圧力なのか。

 「政治ネタ面白おかしくかけめぐる」。花見でもアルコールが入ると森友問題が話題になる。政治が身近になった点は良いのかもしれないが、真実解明が遠のくようであれば、ストレスと酒量が増すばかり。忖度が相手の心を推し測るという意味ならば、民の声を忖度してほしい。「真相を見届けることなく桜散る」。(臼井 学)

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