残念な「アルティ」の閉店

2018.05.02
未―コラム記者ノート

 戦国時代を舞台にしたNHK大河ドラマが2020年に放映されることが決まり、主人公の明智光秀との合戦の舞台になった丹波地域も明るい話題に沸いている。

 その一方で、黒井城跡のふもとにあるショッピングセンター「アルティ」の閉店は何とも寂しい限り。長年慣れ親しんできた店の消長はまさに戦国時代を彷彿させる。

 地域に密着した店舗だけに「何とか再開できないか」といった声も聞かれるのも無理からぬところか。そうしてほしい気持ちもあるが、今は見守るしか手はないのかも。

 昨今、コンビニやドラッグストアの進出が目立つ。「よくこれだけできるもの」と感心する。消費者の目も肥えた。特色を出さないと生き残れない時代になった。過当競争に巻き込まれた人間の心もすさんできたようにも感じる。「物あふれ心貧しき時となり」。こんな文句も浮かぶ。

 がらんとした店内を見ていると、賑わった時代や黒井の町中にあったスーパーの風景を思い出す。地域の“におい”がする店がまた一つ減る。残念の一語に尽きる。「一時代築いた店よありがとう」。(臼井 学)

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