おいしいおしゃべり

2018.07.05
記者ノート

 今春、篠山市の西紀北、大芋地区で、地域の女性たちが地域の施設を使って月に1度、主に高齢者に昼食を提供する事業を始めた。いずれも市内でも特に高齢化が深刻な地域。一人暮らしや高齢夫婦になると、つい“あるもの”で済ませたり、作り置きした同じおかずばかりを食べる傾向に陥り、栄養のバランスが偏るケースもあるという。一人暮らしだった自身の父親が体調を崩したことが、地域の高齢者の食事が気になり始めたきっかけと話すボランティアの女性もいた。

 そんな女性たちの思いに応えるかのようにいずれの会場も笑いが絶えず、明るい笑顔が広がっていた。利用した高齢の女性たちは「みなさんと話をするのが楽しくて」と口をそろえる。食事は一人孤独に食べるものではないなと改めて感じる。同様の取り組みは各地で行われており、さらに広がればと思う。

 失礼ながら女性たちは、本当におしゃべりが大好きだ。漫才でも聞いているかのようで、こちらまで笑ってしまうこともしばしば。しかし、ふと見回すと、男性の姿はごく少数。確かに気になる。(芦田安生)

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