自作農機具で時短成功 篠山市今田町の福井さん

2018.07.30
ニュース丹波篠山市地域

土寄せと農薬散布が一度に行える自作の農機具を取り付けたトラクターで黒豆栽培にいそしむ福井さん=兵庫県篠山市今田町木津で

兵庫県篠山市今田町木津の農業、福井一郎さん(72)が、面倒な黒豆の土寄せと苗の殺虫・殺菌が一度にできる自作の農機具をトラクターに取り付け、農作業の省力化を図っている。福井さんは妻と2人で毎年、黒豆を1・5ヘクタール前後、作付けしている。「農業はちょっとでも楽をしないと、しんどくて大変なことばかり。収量を減らさずに、いかに労力を減らすかを、これからも楽しみながら考えていきたい」とほほ笑む。

福井さんは黒豆のほかに、水稲も2ヘクタール以上栽培している。現役時代は農機具販売店に勤め、在職中から「定年後は農業で食べていこう」と思い描き、64歳の退職と同時に農業に本腰を入れた。

黒豆の栽培で重労働となる、苗の根元を土で覆う土寄せ作業のほかに、小型エンジンで作動する重さ約30キロ(薬剤込み)の噴霧器を背負って苗に農薬を吹き付ける作業を省力化できないものかと日頃から考えていた。

トラクターの後部に取り付ける市販のうね立て器の両端に、厚さ1センチほどの木の板を羽状に取り付け、トラクターを走らせると木の板がうねの上面をなで、苗の根元に土が寄るよう改良を加えたのは10年前のこと。

今回、さらに農薬散布も同時に行おうと、トラクターのバンパーに背負いベルトを外した噴霧器を取り付け、噴霧ノズルを左右に分け、ノズルが苗の真上に来るようホースやパイプなどで延長、手元で噴霧をオン・オフできるようにした。「作業の時間を一気に半分に短縮できた」と喜んでいる。

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