「市名変更問題」若者のホンネは? 賛否それぞれ、冷ややかな声も

2018.11.15
ニュース丹波篠山市

篠山市選挙管理委員会を高校に迎えて行われた「選挙出前授業」=兵庫県篠山市郡家で

兵庫県篠山市の市名を「丹波篠山市」に変更することの賛否を問う住民投票が18日、投開票される。市名変更を求める声の中には、「篠山市の未来のために」との訴えも聞こえる。その未来を担う若い有権者たちは、市名変更問題に関する一連の流れをどう受け止め、何を思うのか。

賛成「新しい動き生まれるのでは」

20歳の女子大生は、「市外に出ると『丹波篠山』の方が、知名度が高いのがよくわかる。自分たちがまちを担う世代になった時のことを考えて賛成したい。私の周りでも反対の人がいるが、みんなで投票に行って、賛否を明らかにしたい」と話す。

27歳の農業男性は、「農産物を扱う上で、『丹波篠山』のブランド力は感じる。ユネスコ創造都市ネットワークに加盟し、食や歴史を掘り起こすなど、篠山という土地の個性を出そうとしており、市名変更もその一つなのでは。市名を変えた方が新しい動きが生まれるのではないか」と変更に賛成する。

また、24歳の会社員男性は、「これまでまちづくりを進めてきた人たちが変更したいと言われるのなら、それでいいのでは」とした。

反対「経済上向くと思えない」

一方、18歳の女子高校生は、「特産などが『篠山市産』とするより『丹波篠山産』とする方が売れるという話を聞いた。私は『篠山』に愛着があり、有名にするなら『篠山市産』でいろんな地域の人に知ってほしい」と訴える。

25歳の男性会社役員は、「会社をしているので、住所が変わることの手間や負担もある。変更後に、行き届いたケアがあるのだろうか」。28歳の主婦は、「現状のままでよい。市名変更の経済効果をあれほど強く訴えているのをみていると、変更したとき、街がどれだけ良いほうに変わっていくのかを見てみたい、という好奇心や興味はある。でも、丹波篠山市になれば、まちの経済状態が上向くなんてとても思えない」と話す。

18歳の男子高校生は、「市名は今のままでいいんじゃないか」とするが、「ニュースで取り上げられたりすると、友だちと『そのままでいいやん』などと話すけれど、それ以上、なぜ市名を変えようとしているのかを知らない、知ろうとしていない」と実情を語る。

「罵り合い、関わりたくない」

「どちらでもいい」「早く終わって」といった冷ややかな声も。29歳の主婦は、「私たちには何らメリットがないので、どちらでもよい。貴重な財源は子育て支援策に回してほしい。不成立になると本当に税金の無駄遣いなので投票には行く」と言い、19歳のアルバイト男性は、「気が付けば市名を変えるという話になっていた。自分が情報を得ていなかったのが悪いのかもしれないが、『いきなり感』がすごくある。自分が知らないところで、自分の住所を変えようとされたことに抵抗感があり、今回のような進め方は反対」と言う。

24歳の主婦は、「賛成派、反対派が罵り合っているようにも見えて、正直、関わりたくない」と顔をしかめ、26歳の男性会社員も「どちらでもいいが、早く終わらせてほしい。SNSなどで、賛成だ、反対だ、と言い合っている姿を見るのが嫌。こんなことでニュースに取り上げられていることが恥ずかしい。どっちになっても、『怖いまち』と思われるのではないか」と心配する。

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