壊滅の「和綿」再興へ ブランド化し、栽培から製品まで/兵庫・篠山市


和綿を栽培している森田さんと妻の恵子さん=兵庫県篠山市で

 無農薬で日本在来の綿花「和綿(わめん)」の栽培に取り組んでいる兵庫県篠山市辻の農業、森田耕司さん(45)が、育てた綿を「丹波篠山コットン」としてブランド化を図り、製品化まで行う事業に挑戦する。来年から本格始動し、ストールやブランケット、コートなどに加工して販売する予定。将来的には大手アパレルメーカーとのコラボレーションも視野に入れる。個人では国内最多の和綿栽培量を誇る森田さん。「高齢化する農業にあって、軽い和綿は栽培が比較的楽。自分たちで製品にすることで利益率を上げ、丹波篠山の新しい特産にすることができれば」と意気込んでいる。

 和綿は、外国産の洋綿と比べて、繊維が太短く、保温性、調湿性などに優れており、日本の気候に合っている。かつては日本各地で栽培されていたものの、明治時代以降、安価な洋綿の輸入が解禁されたことで、国内での栽培はほぼ壊滅状態となっている。

 和綿100%のジーンズを製造するメーカーと契約し、4年前から栽培を開始。現在、妻の恵子さん(46)とともに、市内の農地178アールで和綿を栽培しており、昨年は約800キロを収穫し、キロ単価4000円でメーカーに納めた。

 ところが、昨年末でメーカーが事業を終了。他の契約農家の多くが栽培をやめる中、「せっかく復活させた貴重な和綿を今後も活用したい」と考え、自ら製品化にまでつなげる産業として取り組むことにした。

 今年、収穫している綿は、障がいのある人の作業所で種を取り除いてもらうことで、農業と福祉を連携。今後、愛知県の業者に依頼して布にまでし、知人のデザイナーの協力を得て製品化する。

 事業が軌道に乗れば、栽培農家を募り、地域経済の活性化にも寄与したい考え。

 11月29日には、市からの補助を受けられやすくなったり、有利な融資が受けられる「認定農業者」に認定され、4年後には作付面積をさらに増やして260アールに、生産量も1・8トンにすることを目指す。

森田さんが栽培している和綿

 収穫期を迎え、忙しく走り回る森田さんは、「手間がかからないうえに腐らず、収穫期も長い。耕作放棄地の解消や地域経済の活性化などにもつながる将来性のある作物。ただの和綿ではなく、『丹波篠山コットン』としてブランド化することで、メーカーからも関心を持ってもらえるはず。産業として確立させたい」と意気込んでいる。