北朝鮮「拉致可能性」の桑村さん 情報求め、郷里で初のパネル展示

2018.12.17
ニュース丹波市地域

展示された桑村一二三さんの行方不明に関するパネル=丹波市氷上町成松の氷上住民センターで

兵庫県丹波市の氷上住民センターで開かれている「北朝鮮人権侵害啓発パネル展」で、「丹波市の行方不明者」として新たに、同市氷上町出身の桑村一二三さん(64)のパネルが展示されている。桑村さんは、警察庁がウェブで情報公開している「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者」459人のうちの1人。人権啓発センターや丹波署が、桑村さんの足取りに関する情報提供を求めている。

桑村さんは行方不明当時21歳。姫路市で飲食店の店員をしており、1975年9月に勤務先を出た後、行方不明になった。身長約162センチで、やせ型。

行方不明になった時の住まいが姫路市だったため、これまで出身地が取り沙汰されることはなかった。

市が毎年、北朝鮮人権侵害問題啓発週間(10―16日)に合わせてパネル展を開き、啓発していることを知った丹波署員が、桑村さんのきょうだいに出身地で情報を集めてはと声をかけた。人権啓発センターの職員が、きょうだいと面談し、許可を得て初めて展示することになった。桑村さんの両親はすでに亡くなっている。

丹波署、人権啓発センターでは「関心をもってもらい、何かの手がかりが得られれば」と話している。

丹波市では、87年5月15日に舞鶴からのドライブ帰りにJR綾部駅で車を降りた後、行方不明になった同市市島町の西安義行さん(行方不明当時21歳)が、「拉致の可能性を排除できない」行方不明者として知られている。

北朝鮮による拉致問題を調査する民間団体「特定失踪者問題調査会」が、2000年前後に平壌周辺で撮影された写真に西安さんに良く似た男性が写っていると2011年に発表。同会は「拉致被害が濃厚」としている。

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