過疎地のカフェが民泊もスタート 季節感味わって



 兵庫県篠山市藤坂のカフェ・レストラン「ゆかいな仲間」が1月から、隣接する母屋の3部屋を利用して民泊を始めた。山に囲まれたロケーションの中で、季節感を存分に味わえるひとときを提供する。市内でも過疎化が進む地域だが、昨年7月には閉校した小学校近くに古民家を改装したゲストハウス「やまぼうし」(農家民宿)がオープンしており、地域で2件目の宿泊施設。地元住民らは「泊まれる場所があるのは、PRポイントになる」と期待している。

 

おくどさんを使った炊飯も

写真・民泊に利用する母屋の宿泊部屋

 「ゆかいな仲間」は、店主の井上めぐみさん(35)と家族、スタッフ1人で切り盛りする。

 母屋1階の8畳1室、6畳2室を開放し、定員は計10人。1泊朝食付きで8000円前後を予定している。希望があれば夜食も対応する。このほか、季節に応じてピザやパンの窯焼き、おくどさんを使った炊飯、豆腐やしょう油づくり、野菜の収穫などを体験してもらうことも可能。

 カフェ店舗と母屋が併設していることもあり、大阪や阪神間など遠方から訪れた人から「泊まれるの?」といった問い合わせや、「ゆっくりしてから帰りたい」といった声を多く聞き、空き部屋を利用した民泊を始めることにした。

 春頃には、倉庫にするつもりで建てた小屋で手作り雑貨や自家製野菜なども販売する予定。井上さんの知り合いの作家による布袋、座布団カバー、クッションカバーなどの手作り雑貨をそろえ、オーダーも受ける。

 井上さん一家は、木に囲まれ、川のせせらぎのあるロケーションが気に入り、大阪・高槻市から2014年に引っ越してきた。カフェでは日替わりランチを提供し、手作りパンも販売している。

 井上さんは、「春の芽吹き、夏のホタル、冬の積雪など、季節をゆっくり味わえる贅沢な時間を共有する場になれば」と話している。

 

農村の良さ触れる場所に

 ひと足先にオープンしたゲストハウス「やまぼうし」の宮林慶子さんによると、SNSで発信したことも影響し、阪神間を中心に、東京、群馬などの関東、四国、香港から訪れる人もあり、「季節が変わればまた来ます」とリピーターもでき始めているという。

 大芋地区活性化委員会の村山紳一委員長も「都市部の人たちに農村の良さに触れてもらう上で、宿泊施設があるのは地域としてもありがたいこと。活性化委員会でイベントを行う際にもPRポイントになる」と歓迎している。