「アイウォーク」

2019.01.17
丹波春秋

 神戸の大震災の被災地を歩く、今年で21回目の「アイウォ
ーク」に参加。JR鷹取駅から新長田駅周辺にかけて5キロほどを、復興まちづくりに関わった建築家やNPO、住民の人たちの説明を受けながら回った。

 一帯は区画整理で広い公園が出来、ゆったりした歩道や疎水の流れる道路が通っている。新長田北地区で震災直後からまちづくり協議会の会長を務めてきた野村勝さんが「初めは行政への批判、反発がい
っぱいあったが、利害を調整しながら提案を重ねるうちに、まち協も進化していった」と話した。

 それでも、新長田駅南の再開発地区では高層住宅ビルが建ち並ぶ反面、空き店舗も目立つ。ケミカルシューズの従業者が減り地域経済が衰退する中で、町を去った人も少なくない。

 小学校の廃校舎を再生した「ふたば学舎」で、市文書館が東日本の震災地との交流の展示をしていた。神戸が被災した際に岩手県大槌町や田老(宮古市)の住民が支援に来てくれていた記録が見つかり、岩手の被災時には、市が専門職員を長期派遣したり、住民や企業が「塩ワカメ」の生産再開への支援をした様子がパネル展示されていた。

 この日のウォークでも大槌町から来た女子高校生や熊本から来た人などもいて、復興した神戸がその経験を全国に発信していることを実感した。(E)

関連記事