小さな”春の胎動” ニホンアカガエルの産卵始まる


田んぼの水たまりに産み付けられたニホンアカガエルの卵塊=兵庫県篠山市真南条上で

 春の胎動はじまる―。兵庫県篠山市真南条上の田んぼの水たまりで、ニホンアカガエルの卵塊が見つかった。どんよりとした冬空の下で産み付けられて間もない直径約25センチの卵塊がきらきらと輝いている。透き通った寒天質の卵塊の中には、直径1・5ミリほどの黒褐色の卵が無数に見てとれる。寒さの厳しい日が続くが、季節は着実に春へと進んでいる。

 篠山東雲高校の理科教諭で、日本爬虫両棲類学会会員でもある田井彰人さん(50)によると、アカガエルの産卵は、兵庫・丹波地域では1月下旬から2月下旬にかけてで、今年も「例年通り」という。「アカガエルの仲間は北方が起源。寒さに強いカエルで、産卵後に雪が降ったり、水面が凍ったりすることは織り込み済み」と解説している。

 また、産卵場所の周囲には無数のアライグマの足跡が見られ、「産卵行動最中のアカガエルが捕食された可能性が高い」と田井さん。

 ニホンアカガエルは、体長35―75ミリで、メスの方が大きい。体色は黄土色から赤褐色。産卵後は再び5月ごろまで休眠(春眠)する。日本固有種。近年の冬期の乾田化が主な原因で数を減らしているという。県内では絶滅のおそれのある野生生物について記載したレッドデータブックで、存続基盤が脆弱な種とするCランクに指定されている。