「姶良(あいら)カルデラ」

2019.02.17
未―コラム記者ノート

 丹波こども新聞で、旧石器時代の丹波地域のようすについて取材していて、「姶良カルデラ」という名前を知った。火山・桜島がある鹿児島湾の巨大なカルデラ(火山の中にある大きなくぼ地)で、約2万9000年前に大噴火したことがあるという。

 この遠く離れた九州での噴火が、本州全域に火山灰を降らせ、丹波地域の「七日市遺跡」や「板井寺ヶ谷遺跡」の旧石器時代の地層にも20センチほどの層となって残っている。押し固められた20センチだから、当時降った火山灰の量はどのくらいのものだったのだろう。旧石器時代の人たちはさぞ大変な目に遭ったことだろう。

 先日、この「姶良カルデラ」関連の記事を見た。原子力規制委員会が、2021年度にも、姶良カルデラの海底に地震計などを設置して、地殻変動の観測を始める方針という内容。3万年近く前の時代と、実はつながっているのだと気づかされた。破滅的な噴火が再び起きれば、現代だと原子力発電所への影響も考えられるのが恐ろしい。ふだんは意識しないが、地殻変動は今も続いている。(古西 純)

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