地元愛を再確認

2019.02.21
記者ノート

 「丹波市と篠山市ってどんなところなん?」と聞かれると「何も無い田舎やで」と、この文章を書く前の私は答えるだろう。

 私は山南町で生まれ育ち、尼崎市にある園田学園女子大学短期大学部に通っている。春休みの期間を使い、自分が興味のある企業で就業体験をするインターンシップが学校の必須科目となっている。

 もともとマスコミ業に関心を持っていたので、丹波新聞社に行くことにした。二週間かけて、制作・営業・編集・印刷・配達全てを体験した。正直、紙面が埋まるほどのネタがあるのかと思ったが、この町にはたくさんの人に知ってほしい情報が溢れていた。世界に評価されている商品、大人から子供まで楽しめる施設、歴史にゆかりのある地。私がそれを知ろうとしていなかっただけなのだ。

 ある社員が「一枚一枚愛情を込めて作っているんですよ」と言った。よりよい町づくりに努める人を取材する記者と読者の関係は、何物にも替えがたいと感じた。「丹波市と篠山市ってどんなところなん?」の問いの答えは、「愛情が飛び交うあたたかい町」だ。(松原加奈)

関連記事