兵庫県立考古博物館学芸課長 藤田淳さん(丹波市山南町岩屋)


先人の知恵を未来へ

 10年前にオープンした兵庫県立考古博物館(加古郡播磨町大中)の学芸課長として、展覧会の企画や調査研究活動に携わっている。「Past&Future」が博物館のコンセプト。「考古学を通して、先人の知恵を未来に生かしたい」と話す。

 子どもたちにも考古学に親しんでもらいたいと、ビギナーでも楽しめる展示内容を工夫。七日市遺跡や雲部車塚古墳など、丹波地域関連の展示が博物館の中核になっており、「丹波地域からもぜひ遊びに来てほしい」と呼びかける。
 東北大学大学院生時代、帰省中に七日市遺跡の調査が行われていることを知り、アルバイトで参加。ちょうど県で埋蔵文化財専門職員の募集があり、1986年に入庁した。

 豊岡市出石町での遺跡調査中に魚や鹿の絵がナイフで刻まれた板が出土したことがあり、全国的なニュースになった。「考古学の醍醐味は、時々、びっくりするようなとんでもない物が出てくること。場合によっては日本の歴史が変わることさえある」。

 考古学に興味を持ったのは小学5年生の時。友だちから「近くの畑で石の矢尻が拾えるらしい」と聞き、探しに行くと、立派な矢尻が見つかった。「すごい!」。感動は大きく、この時から“矢尻探し少年”となって夢中で畑を歩き回った。1級年上に趣味の合う友人がおり、中学卒業まで自転車で、丹波市内の古墳めぐりもしたという。

 数年前、都市部から丹波市にUターン。これまで“故郷”だった丹波が生活の拠点となり、新たな人とのつながりもできた。「定年後は、地元でこれまでの経験を生かしていきたいという思いがありますね」。58歳。