地方の会社の「跡継ぎ」問題 スムーズな継承をサポート 税理士らがネットシステム開発

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eラーニングの一画面と、開発した一般社団法人ユアーズファンナップの津田弘一・代表理事=2019年2月28日午前11時25分、兵庫県丹波市柏原町柏原で

地方が抱える小規模事業者の事業承継、簡単に言えば「跡継ぎ」の問題を解消しようと、兵庫県丹波市の税理士らが、経営者や後継者が事業承継に関するさまざまな情報や知識を得られるネット利用の学習システム(eラーニング)を開発した。事業承継の準備や計画などが学べる。金融機関や商工会が学習の進捗状況をみることができ、効率的な助言や支援ができるのが特長。システムを開発した、一般社団法人ユアーズファンナップの津田弘一・代表理事(46)は「経営者・後継者と金融機関などが情報を共有することで、事業承継をスムーズに行い、地方の小規模事業者に希望を与えたい」と話している。

すき間時間で承継準備学習「eラーニング」

 eラーニングの内容は、事業承継の準備や計画策定、実行まで3分程度の動画で、33本のコンテンツを作成。経営者が「すき間時間」を活用して学習できる。その学習状況を解析し、適切な助言や支援につなげる。同法人には弁護士や行政書士、社会保険労務士などの専門家が在籍。今後、事業承継だけでなく、有給休暇の義務化や消費税増税など、さまざまな経営課題のコンテンツを増やしていく。

 津田代表理事によると、事業承継を阻害する一番の問題は、金融機関が承継時に引退する経営者の保証を外さずに後継者と重複して保証をとる「二重徴求」。二重徴求で跡継ぎを断念する例が多いという。中小企業庁などが定める「経営者保証ガイドライン」では、一定の要件をクリアすれば、保証を外したり、新たな融資を受けたりできる。同システムを利用することで、要件の一部を満たすことができるという。

津田代表理事は、兵庫県商工会連合会のチーフアドバイザーとして7年間、県内の事業承継問題の現場を経験。経営者向けのセミナーや相談を行ってきたが、地方の小規模事業者にとって、普段の業務が手いっぱいで、事業承継を準備、計画する時間がないことを実感。「すき間時間」でより効率的に学べるシステムを構築しようと考えた。同法人は2018年度、同県新温泉町の商工会青年部と地元の金融機関向けにeラーニングを導入。後継者の資質向上に役立ったという。

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