「一番の勲章です」 24年で3000件超の分娩 退職の医師に親や子がメッセージ

2019.03.03
ニュース丹波篠山市地域

池田医師に感謝のメッセージと成長した子どもたちの写真を届けた中村さん(左)と畑さん(右)=2019年3月25日午後1時4分、兵庫県篠山市黒岡で

長年にわたって、兵庫県篠山市黒岡の「兵庫医科大学ささやま医療センター」の産婦人科を支え、今月末で定年退職する池田義和医師(65)のもとへこのほど、感謝の気持ちを伝えようと活動してきた母親らが、成長した子どもたちの写真を載せたフォトブックや約600人から寄せられたメッセージを届けた。

池田医師は同センターが国立病院だった1995年から勤務。年間約155件、24年間の勤務で約3500件の分娩を行ってきた。また、2004年から13年までは1人で産婦人科を支えてきた。

感謝のメッセージを募ったのは、池田医師のもとで出産を経験した中村貴子さん(49)と、畑弘恵さん(48)らでつくる地域医療と子育て支援のグループ「人と夢をつなげ隊」。09年にも当時、1人で産婦人科を切り盛りしていた池田医師に親子からのメッセージと写真を届けたほか、昨年11月には、池田医師が市の功労者表彰を受賞したことを受けて、親子らとともに祝いに駆け付けた。

今回、集まったメッセージは624件。「取り上げていただいた子どもたちはすくすく育ちました」「不安いっぱいの出産でしたが、先生の優しさに安心することができました」など、池田医師への感謝の言葉が並んだ。

フォトブックには、赤ちゃんから大学生まで、池田医師が取り上げた子どもたちの写真を載せ、「先生がおられたから生まれてこれたと母から聞いています。篠山にいてくださり、ありがとうございます」などのメッセージもあった。

受け取った池田医師は、「たくさんの支えで、これまでお世話になることができた。1人のころは、外科や小児科が支えてくれたし、何より、まちの人々が、『そんな産婦人科は嫌だ』と言わずにいてくださった」と感謝。「お母さんや子どもたちからメッセージを頂いたことが、24年間で一番の思い出。何よりの勲章です」とほほ笑んだ。

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