ルイ・ヴィトン「象徴」は偽物対策 農業高校で「ブランド価値」語る

2019.03.16
ニュース丹波市地域

知的財産権などについて語る藤原さん=2019年3月8日午前9時25分、兵庫県丹波市春日町黒井で

兵庫県丹波市の農業高校・氷上高校の就農講座が3月8日、同市春日町で開かれた。知的財産権とブランド価値について講演があり、ファッションブランド「ルイ・ヴィトン」製品を輸入販売する「ルイ・ヴィトン ジャパン」マネージャーで知的財産部の藤原宏成さんが登壇。農業分野の「育成者権」などについて語ったほか、「ルイ・ヴィトン」の歴史やブランドへのこだわりも話した。

 藤原さんは、植物な新たな品種に対して与えられる知的財産権「育成者権」を得ると、新たに植物品種を育成した人が登録品種の種苗、収穫物、加工品の販売等を独占できると言い、「25年間の保護期間がある」と話した。

 

ダミエにモノグラム、偽物対策の歴史

 ヴィトンの歴史について、「フランスの鞄職人だったルイ・ヴィトン。雨にぬれても水はけが良く、しかも軽い鞄を作ったが、模倣品が多く出回った。模倣品との差別化を図ろうと、鞄の柄を複雑にしようと試み、1888年に『ダミエ』、1896年には『モノグラム』を開発した」と言い、ヴィトンの象徴ともいえる柄は“偽物”対策だったと話した。「モノグラム」は1905年にフランス特許庁から登録商標として認められ、1908年には偽物業者に対し初めて実刑判決が下ったと説明した。

 ヴィトンがブランド価値を高めるために取り組んでいることも紹介。「創業者から受け継ぐ伝統の製法で、すべて自社製造。特注品の受注製造も行っており、例えば持ち運びができる本棚やベッドを作ったこともある」と説明。ヴィトンが値引きに応じない理由として、「価格の維持は、信頼の維持につながるから」と話した。

 

偽物は主に中国から、ショッピングに注意

 偽物の実態についても話した。今のところ、日本で組織的にヴィトンの偽物を製造しているところはなく、「主に中国で作られたものが入ってきている」と紹介。現地では子どもがよく理解しないまま偽物商品の製造の手伝いをされている場合もあると言い、「安い賃金で働かされ、そのバックにはマフィアの存在もある」と語った。

 近年、ショッピングサイトでも偽物が売られていることについて言及。「『LV風』『ダミエ調』などと書かれている。SNSなどにも偽物が進出している」と注意を呼び掛けた。

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