宇宙旅したサクラ凛と 「復興のシンボル」開花

2019.04.13
ニュース丹波市地域自然

数は少ないながらも花をつけた「宇宙桜」=兵庫県丹波市市島町徳尾で

宇宙旅したサクラ凛と―。兵庫県丹波市市島町徳尾の復興砂防公園で、2008年にスペースシャトルで宇宙を旅したサクラの種から育てた苗木が美しい花をつけた。2014年の豪雨災害で被災した寺院本堂の跡地に整備された同公園。まだまだ幼木で花の数は少ないが、地域住民の心を和ませている。

昨年、高知県吾川郡仁淀川町から寄贈を受けた「エドヒガン」。同町にある樹齢500年を超える古木から採取された種から育った苗木で、高さは3メートルほど。同町では、つぼみの形がひょうたんに似ていることから「ひょうたん桜」として親しまれている。

2008年、全国各地から集めたサクラなどの種をスペースシャトル「エンデバー」に乗せて宇宙に届けるプロジェクト「花伝説・宙(そら)へ」で、同町のひょうたん桜の種も宇宙を旅した。国際宇宙ステーション内にある日本の実験棟「きぼう」で約8カ月間保管され、翌年、宇宙飛行士の若田光一さんと帰還。その後、種は4本が発芽し、「宇宙桜」として育てられている。

「宇宙桜」は、宇宙空間という過酷な環境でも発芽・開花する生命力を持つことから、「復活・復興・希望」のシンボルとして東日本大震災の被災地にも寄贈されている。

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