廃校の「サクラ」満開も伐採進む 「思い出深い」命拾いの木も


伐採を免れ、満開になったサクラの古木=兵庫県丹波市青垣町山垣の旧遠阪小で

 開花後の低気温が続きサクラの花が長くもっている。廃校になった兵庫県丹波市青垣地域3小学校の校庭でも満開となっているが、その数は去年より減っている。管理上の問題で、市教育委員会と地元自治協議会が協議の上、校庭や敷地内の木の伐採に昨年度末から取り組んでいる。一部が残っており、今年度も伐採を予定している。

 

伐採されたメタセコイアの切り株。直径が1・7メートルあった。奥のサクラも伐採される=兵庫県丹波市青垣町田井縄の旧芦田小で

学校シンボルの大木、伐採も中は空洞

 ▽剪定の手間と費用がかかる▽落ち葉が学校敷地外に落ちる▽根がブロックを持ち上げる▽老木化していて折れる可能性がある―などの問題があり、廃校の管理を市から委託されている自治協議会と市教育委員会が協議し、地元で選木。旧芦田小でサクラ5本、メタセコイヤ1本など、旧神楽(しぐら)小でサクラ12本、ポプラ、マツ、ケヤキ、イチョウなど14本、旧遠阪小でサクラ5本、クヌギなど14本が伐採された。

 旧芦田小では、閉校記念Tシャツにもデザインされた同校のシンボルで2階建ての建物ほどの樹高があったメタセコイアの大木が切られた。70年前に神戸市に苗を取りに行き植えた木は、株の直径が170センチにまで成長していた。地元の芦田自治協議会によると、切る、切らない両方の意見があったが、大木の木陰や落ち葉が隣の農地の作物の生育に影響を与えているといった苦情もあり伐採した。切ってみると中が空洞になっており、「折れる前に切って良かった」と胸をなで下ろしたという。

 同校では今年度も10本ほどのサクラやマツの伐採を予定している。

 神楽自治協議会は、旧神楽小校庭に他校より大きなビオトープ「学校の森」があり、森の木などを切った。実がなるイチジク、カキなどは残した。

 旧遠阪小もビオトープ周辺や校庭外周に沿って植わっていた木を伐採。プール脇にあり、児童が記念撮影をする定番スポットだったサクラの古木も伐ることになっていたが、たまたま伐採作業中に居合わせた地元住民が思い出深い木を切らずに残すよう申し出て、今春もきれいな花を咲かせた。

 旧芦田、旧神楽両小は、廃校を活用する企業が決まり、企業が木を含め、学校敷地全体の管理を担っていく。活用企業が未決定の旧遠阪小は、遠阪自治協議会が市から委託され管理を続ける。同協議会では「木もそうだが、安全上の問題で、遊具の撤去も考えていく必要がある」と話した。