髪を寄付「ヘアドネーション」広がる 子どもの医療用ウィッグに 「誰かの”普通”のため」

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ヘアドネーションの受領証を手にする澁谷さん(右)と美容師の宮田さん=2019年3月13日午前11時6分、兵庫県篠山市で

病気などで医療用ウィッグを必要としている子どもたちのために、長く伸ばした髪を寄付する「ヘアドネーション」が広がっている。誰にでも取り組めるボランティアとして、幅広い世代に浸透してきているようだ。

 

美容院2店舗で2月の寄付15件

ヘアドネーションしたお客さんの髪を手にする美容師の小嗣さん=2019年3月20日午後3時50分、兵庫県篠山市で

2009年に設立され、日本でのヘアドネーションの活動をリードしてきたNPO法人、「ジャパンへアドネーション&チャリティー」(大阪市)。全国から郵送などで髪の寄付を受け付け、18歳以下の子どもたちに医療用ウィッグを無償でおくる活動を地道に続けている。

兵庫県篠山市西古佐の「こつぎ美容室」(小嗣聡代表)と、同市北の美容室「cotonova」(宮田真由代表)は、同法人の活動に共感し、3年ほど前から髪を寄付している。

年末から新年、春先にかけては髪を切る人が多い時期でもあり、2月は2店舗で、15人ほどが髪を提供した。こつぎ美容室でヘアドネーションしているのは10歳代が多く、学生は特に学年が変わる節目や長期休みの時に増えるそうだ。cotonovaでは子育てが少し落ち着いた40、50歳代の主婦層が比較的多いという。

cotonovaの宮田さんによると、始めた当時はヘアドネーションがあまり知られておらず、長い髪を切るお客さんに説明して勧めていたが、昨年あたりから希望者が増えた印象という。

1月に同店でヘアドネーションをした澁谷及子さん(54)=同市北。以前、新聞で自分より年配の女性がヘアドネーションをしたという記事を見たことがきっかけで、「自分もお役に立てるなら」と髪を伸ばし始めた。きれいな状態の髪を寄付したいと手入れに気を配り、2年半かけて同法人規定の「31センチ以上」まで伸ばした。「切る時は晴れ晴れした気持ちだった」と澁谷さん。寄付の受領証を受け取り、「『誰かの“普通の生活”を取り戻すために』と書かれていた言葉にじーんときた。もう1度伸ばして寄付したいと思っている」と話す。

宮田さんは「ヘアドネーションのためにわざわざ来てくれる人もいるが、基本的にはどこの美容院でもできる。お客さんが自分の行きつけのお店で相談できるようになれば一番いいと思う」と話している。

また、同NPOで、集まった髪の仕分け作業を手伝ったこともある小嗣さんは、「自分の髪でも寄付できるのか不安に思っている人が多いが、カラーやパーマをしていたり、くせ毛だったりしても問題ない。このすばらしい活動がもっと広まってほしい」と話していた。

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