「名」の後こそ「実」を

2019.04.25
記者ノート

 世は新元号「令和」が話題を呼んでいるが、篠山市が「丹波篠山市」になるまでも、残り7日となった。

 喉元過ぎれば熱さを忘れるなのか、あれだけ激論が交わされたのが嘘のように、今、市民は〝平熱〟に戻っているように思える。これまでも愛称として使用してきた「丹波篠山」を市名にするということや、住民投票という手法で決着を見たことが大きいと思っている。

 ただ問題は、「その後」だ。先に書いたように名前を変えるといっても、もともと名が通っていた丹波篠山。「変更のインパクトは絶大」とは言い難い。

 変更には「丹波篠山ブランドを守る」という意味もあった。しかし、農家は減少の一途。高齢化・人口減少の中、このままではブランドを冠するべき特産がどんどん減る。

 「名」には「実」が伴わなければ意味がない。

 その「実」をつくる、あるいは守る旗手たるべき行政には、さらに努力を重ね、市民が恩恵を感じるように導いてほしい。そして、市民も私たちも、まちが盛り上がるように力を尽くしたい。勝負はこれからだ。(森田靖久)

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