頭を筆に「令和」書き初め 新元号祝って”人間書道”

2019.04.10
ニュース丹波市地域

身体を逆さにして髪で書く「人間書道」で、「令和」をしたためる同期生たち=2019年4月2日午前10時29分、兵庫県丹波市柏原町柏原で

新元号「令和」が発表された翌日の2日、毎年、元日に髪を筆の代わりにして干支を書くという、その名も「人間書き初め」を行っている兵庫県丹波市出身の有志らが、新元号を祝おうと、頭を使って「令和」の文字をしたためた。メンバーの一人、安達淳也さん(35)=同県篠山市=は「新しい時代に向けて、新しいことに挑戦できて良かった」と話していた。

「人間書道」で完成した「令和」

有志らは、丹波市立氷上中学校を1999年に卒業した同級生約10人。24歳の年男年女になる2007年の元日から、「日本の文化を楽しみながら世界に発信しよう」と、毎年、干支を「人間書き初め」し、ネットで配信してきた。

筆役は毎年入れ替わり、筆役の自宅の前で書き初め。18年の「戌(いぬ)」で一巡したため、今年は元日に行わず、新元号発表時に行うことにしていた。

2日午前、筆役の伏田智さん(35)=同県丹波市=宅のガレージに段ボールが敷かれ、その上に横90センチ、縦2・2メートルの障子紙が置かれた。

同級生たちは伏田さんの自宅で着替え、上半身裸のももひき姿で登場。逆さになった伏田さんを4人で抱え、墨汁がたっぷり入ったバケツに頭をドボン。「令」の1画目から書き始めた。

これまで干支の1文字しか書いてこなかった同級生たちにとって、2文字は未知の世界。途中休憩もせず、「和」の文字に入ると、画数が多いこともあり、立っていた「筆」が段々と寝るように。気合を入れ直して、書き終えると、みんなで肩を組み、雄叫びを上げた。

メンバーの荻野真也さん(35)=大阪府高槻市=は「みんなでいい作品ができた。大阪からこのためだけに帰郷した甲斐があった」と言い、福田隼人さん(35)=兵庫県加東市=は「筆役も持ち役も互いに信頼し、よい作品ができた」と喜んでいた。

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