壁取っ払う「食」の可能性

2019.06.16
未―コラム記者ノート

 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入国管理法が4月から施行され、さらに外国人労働者が増えることが予想される。丹波地域では、ハローワークに届け出のあった昨年10月末現在の外国人労働者数は、前年同期比158人増の830人。まちなかでも事業所に通う外国人を見かけることが多くなった。

 このほど「外国人材の受け入れ」をテーマに行われた柏原高校インターアクト部創立50周年記念大会で、丹波地域で暮らす外国人にとっての課題について、▽日本語の習得▽居場所づくり▽支援者不足―などが指摘された。

 大会では、神戸元町で多国籍料理店を営んでいる黒田尚子さんが、7カ国の外国人店員が故郷の料理を日替わりで提供していることを紹介、「外国人の店員が社会とのつながりを持ち、日本語の学習や就労支援にもつながっている」と、メリットを挙げた。

 食によって外国人労働者の日本での障壁を低くする好例。丹波市では男女共同参画目的の料理交流会や、認知症の人が店員を担う喫茶店などが計画されている。いろんな障壁が食を通じて低くなればと思う。(坂井謙介)

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