地方からの挑戦

2019.07.07
丹波春秋未―コラム

 自動車のアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い事故が多発する中、本紙で取り上げた特集記事をネットで見た三重県名張市で金属加工業を営む三好秀次さんから電話をいただいた。

 三好さんは、踏み間違いを起こしたとき、急発進しない画期的なペダルを開発した。パニックになって、強い力でアクセルペダルを踏むと、シフトレバーがはずれ、動力がカットされる。その名も「パニックレスアクセルペダル」で、特許も取得した。テレビや新聞にも幾度か取り上げられた。「装置を普及させ、高齢者が安全に車に乗れるようになれば」と願うが、国内自動車メーカーの協力が得られず、量産のめどは立たない。日本の中小メーカーの置かれている厳しい現状も垣間見た。

 

 免許返納の動きも加速する。都市部に比べ、地方は自家用車に頼る割合が高い。返納すれば、高齢者は自宅に閉じこもりがちになる可能性が高く、返納と公共交通充実をセットに考えたい。

 丹波地域にも日本のもの作りを支える様々なメーカーがある。地方に住む一人として応援したい。「安全の願いを込めた夢ペダル」。(臼井 学)

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