花火大会「ドドーン」と復活 中止の要因「保安距離」クリア 住民の悲願叶う

2019.07.03
ニュース丹波市地域観光

2016年の川裾祭での花火=兵庫県丹波市市島町市島で(木下武さん提供)

兵庫県丹波市市島町で28日に開かれる伝統の「川裾祭」。かつては祭りのクライマックスで打ち上げられる数百発の花火が人気だったが、2017年から花火大会は中止に。その理由は、打ち上げ場所から付近の建物まで一定の距離を保たなければならないという「煙火保安距離」内に建物が建ったためだ。今年、「もう一度、花火を見たい」という住民の願いが叶い、打ち上げ場所を変更することで花火大会が復活する。地域の熱い思いを込めた大輪の花火が夜空を焦がす。

「煙火保安距離」は、各都道府県によって定められており、花火の大きさによって距離は異なる。

 

同祭りは、家内安全や五穀豊穣、商売繁盛などを願う。2014年には、花火を空撮しようと、住民がドローンを飛ばしたところ、機体ランプの点滅をUFOと勘違いした見物客が続出したことで話題になった。その花火は2016年まで数百発を打ち上げていたが、同年の祭り以降に保安距離内に建物が建ったため、花火を打ち上げることができなくなった。

ここ2年、花火大会のない祭りだったが、花火復活を望む地域住民の声は根強く、今年の祭りに関して関係者が協議した際、打ち上げ場所を変更することで保安距離を確保できないかと提案があった。後日、花火会社とともに新たな打ち上げ場所の候補地を確認したところ、“お墨付き”をもらった。

これまでの祭りでは2・5号玉サイズを打ち上げていたが、今回は花火が開いたときに直径100メートル以上になる4号玉を上げる計画にしている。

祭りを主催する坂谷高義実行委員長は「令和になり、始まりの年に花火も復活する。来年以降も花火を打ち上げられたら」と話している。

祭りは午後6時ごろから、JR市島駅前通りでスタート。「令和元年復活花火」と題した花火大会は8時ごろに始まる。

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