“待機児童”ここにも

2019.08.29
記者ノート

 丹波篠山市内で唯一、預かり保育がない3幼稚園のあり方について、保護者と行政、地域住民らによる検討会が開かれている。

 預かりがない理由は、園区に私立の認定こども園があるためで、市教委は、「この園区の保育は民間に担ってもらっている」と言い、公私のすみわけという側面がある。

 共働き世帯の増加に伴い、こども園は定員が超過。一方、預かりのない幼稚園は園児数の減少が続く。そのため保護者らが市に対して、預かりの実施を求めたことが検討会設置のきっかけになった。

 議論の内容は別にして、わが子が通うのはわずか2年という幼稚園のあり方について、市民が声をあげられたことに敬意を表したい。

 少し本筋から離れるが、このこども園には3歳児で親が就労していない状態でも入園できる「1号認定」があるものの、定員に達しており、落選者が多数いる。〝待機児童〟はこのまちにもいるということにも触れておきたい。

 今後のあり方の議論も大事だが、「今、あるサービスを使えない」という状況を改善することも、喫緊の課題ではないだろうか。(森田靖久)

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