秋のまちを車いすが疾走 フルマラソンは最後に 副島選手が大会新で有終

2019.09.30
ニュース丹波篠山市地域

一斉にスタートをきる選手たち=兵庫県丹波篠山市北新町で

「第31回全国車いすマラソン大会」(兵庫県など主催)が9月29日、兵庫県丹波篠山市の篠山城跡マラソンコース(日本陸上競技連盟公認)で開かれた。フルマラソン(42・195キロ)の部に21人、ハーフ(21・0975キロ)の部に58人(オープン参加含む)が出場。出場者数の減少が続いていることに伴い、今回で最後となったフルマラソンの部では、パラリンピックに4回(アテネ、北京、ロンドン、リオ)、出場している副島正純(そえじま・まさずみ)選手(49)=長崎県諫早市=が1時間26分39秒の大会新記録で優勝、有終の美を飾った。

心配されていた天候も晴れ間が見え、レーススタートの午前9時には23・7度、午前11時には27・3度と気温も上昇。号砲とともに選手たちが一斉にスタートを切り、秋のまちを駆け抜けると、沿道から「がんばれー!」と大きな声援が響いた。

同大会最後のフルマラソンで優勝した副島選手は、2位との差を16分近く開けた独走でゴール。「雨を予想して来たので、暑く感じたが、パフォーマンスに影響するほどではなかった。1時間25分を切ることを目標にしていたが、後半の30キロ以降がきつく、タイムが伸びなかった」と振り返り、丹波篠山の大会で最後のフルマラソンとなったことには、「全国的にも車いすの大会が減っているので、さみしいですね」と話していた。

フルマラソンの部は、昨年が最後となる予定だったが、台風接近のため中止に。31人が出場予定だった。県によると、第2回大会の60人をピークに出場者は減少傾向で、ここ数年、10人台と低迷していたため、同大会推進委員会が、フルマラソンを廃止することを決めていた。来年以降は、ハーフマラソンは継続し、フルマラソンに代わり、気軽に参加できる「ファンラン」を実施する。

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