十六夜と瑞鳥の飛翔 コウノトリのつがいが飛来 愛好家ら話題に

2019.09.15
ニュース丹波市地域自然

沈む十六夜の月をバックに、寝ていた電柱から飛び立ち、一日の活動を始めるコウノトリ=兵庫県丹波市市島町勅使で

8月中旬からひと月近く滞在中

 

兵庫県丹波市内に8月中旬からコウノトリが飛来し、話題になっている。十六夜の満月が沈む15日早朝も市内の愛好家がカメラを手に観察に訪れていた。

 

愛好家が早朝から観察続ける

飛び立つ前の準備体操をするコウノトリ=兵庫県丹波市市島町で

 8月18日ごろから県北の豊岡市から飛来したと見られるコウノトリのつがいが、同市市島町東勅使、同町梶原周辺に滞している。県立コウノトリの郷公園(豊岡市)のコウノトリファンクラブ会員で地元の造園業、井上勉さん(72)が連日、エサをついばみ、寝泊まりする様子の観察を続けている。

 

 

飛び立つのは午前5時20-40分ごろ。「飛ぶ前に見せ場つくる役者」

日の出前、電柱に止まったコウノトリの姿を写真に収める井上さん=兵庫県丹波市市島町で

 井上さんによると、飛び立つ時間は、毎朝大体同じで、午前5時20分―40分ごろ。飛ぶ前に翼を広げて見せ場を作る。「なかなかの役者や」と、また笑った。

 コウノトリは同市に定住しておらず、井上さんは、営巣用の人口巣塔をつくることで市にコウノトリを誘致したいと考え、各方面に働きかけている。

 

メスは4年連続飛来、過去3年は「1人旅」

4年連続丹波市を訪れているメスの「J0131」(左)と、オスの「J0160」=兵庫県丹波市市島町で

 メスの個体番号「J0131」は、4年連続で同市への飛来が確認されているが、過去3年は「1人旅」で、アベックでの来訪は今回が初めて。

 「丹波市を気に入ってくれているメスがいて、つがいで来てくれているので繁殖の期待が持てる。巣塔があれば繁殖期の春に営巣が期待できる」と、巣塔整備への思いを強くしている。

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