希少植物「ヒメミズワラビ」 水田管理の変化で復活? 研究者「好ましい環境に」

2019.09.17
ニュース丹波篠山市地域

「これからはもう少し気に掛けてやろうかしら」。ヒメミズワラビを眺める田んぼの持ち主=兵庫県丹波篠山市口阪本

兵庫県版レッドデータブック2010でCランクに指定されている希少なシダ植物「ヒメミズワラビ」(旧分類ではミズワラビ)が、同県丹波篠山市口阪本の田んぼで見つかった。2013年9月に同県三田市で初の分布を記録し、同年10月には同県丹波市で66年ぶりに確認されるなど、その希少性が取りざたされていたが、県立人と自然の博物館の鈴木武研究員は「ここ最近、県内で次々に生育場所が見つかるようになってきた」と話し、「近年の水田管理の変化が幸いし、ヒメミズワラビにとって好ましい環境になってきたのかもしれない」と推察している。

今回見つかったヒメミズワラビは、稲刈りを終えた田んぼと、その隣に植えられた小豆畑との境界部分の幅約30センチ、約100メートルにわたって、まばらに生えている。大きく育ったもので草丈15センチほど。

鈴木研究員によると、水田などの湿地に生える一年生のシダ植物で、関東・新潟以南に分布。県内では淡路を除く全域に点在している。7月ごろに胞子から発芽して、9月ごろには角状の葉(胞子葉)に胞子をつくり、12月には枯れる。胞子は土の中で数10年の寿命がある。

除草剤のため急速に数を減らし、分布する都道府県のほとんどでレッドデータブックに掲載されているという。

田んぼと小豆畑の境界に生えるヒメミズワラビ

しかし近年、▽除草剤の種類が変わった▽夏以降、除草剤の使用量が減った▽稲刈り後の水田を翌春まで耕起しなくなった―ことなどが影響し、秋に成長するヒメミズワラビにとって以前より、生育しやすくなってきているのではという。

「以前から存在は知っていたけれど、珍しい植物とは知らず、ほかの雑草と一緒に引き抜いて捨てていた」と話すのは、田んぼの持ち主の女性。「去年はもっとびっしりと生えていたが今年はまばら。貴重な植物だと分かったので、これからはもう少し気に掛けてやろうかしら」とほほ笑んでいた。

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