サルさん、お先に… 放置柿をイベントで収穫 ”楽しく、おいしく”獣害対策

2019.10.17
ニュース丹波篠山市観光
「さる×はた合戦」で収穫された柿の実=兵庫県丹波篠山市瀬利で

「さる×はた合戦」で収穫された柿の実=兵庫県丹波篠山市瀬利で

実りの秋を迎える中、ニホンザルの獣害に悩まされている兵庫県丹波篠山市畑地区のみたけの里づくり協議会(畑基樹会長)が、サルのえさになり、里に引き寄せる原因となる放置された柿を、サルより先に収穫するイベント「さる×はた合戦」を開いた。地元や都市部などから約60人が参加。地区内に点在する柿を採り、楽しみながら獣害対策に臨んだ。

参加者らは地区内4集落に分かれ、昔ながらの竹竿と高枝切りばさみを使って柿採りに挑戦。柿採りが初めてという人もおり、慣れない道具に悪戦苦闘しながらも住民スタッフの指導で手際よく作業を進めた。

柿の木から実がなくなると、「すっきりしたわ」「たくさん採ったなぁ」と歓声。全集落で集めた柿は約600キロに上り、参加者らがこぞって袋に詰めては持ち帰った。

昔ながらの竹竿を使った収穫に挑戦する参加者

同地区はサルによる農業被害が深刻なエリア。そこで2013年、神戸大学がサルを里に引き寄せる要因となる放置柿を収穫し、地域住民と交流しながら”楽しく、おいしい”獣害対策のイベントとして「合戦」を企画した。

毎年参加している”常連”の女の子(8)は、今年、初めて自分一人で柿採りに成功。「思ったところに竿を刺すのが難しかったけれど、採れてうれしい。また来年も参加したい」と笑顔で話していた。

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