ラグビーワールドカップ

2019.10.17
丹波春秋未―コラム

 ラグビーワールドカップ、日本は悲願の決勝トーナメント進出を決めた。まさに死闘だったスコットランド戦は最高に素晴らしいゲーム。もう1つ嬉しかったのは、予選A組からアイルランドが共に勝ち残ったことだ。大変紳士的で、格下の日本に敗れ相当悔しかったはずなのに終了後、花道を作り称賛してくれた。

 同チームはアイルランド共和国と、英国の一部である北アイルランドの混成。英国からはほかにイングランド、スコットランド、ウェールズが出場し、予選敗退のスコットランドを除いた全部が決勝に顔をそろえた。

 サッカーも同様に地域ごとに代表を出す。もし統一チームを組んだらどれだけ強いかと思われるが、必ずしもそうはならないのが妙なるところ。地域ごとの対抗意識がものすごく、チームワークがうまくとれそうにないからだ。

 1991年に英国を訪れた際、たまたま同地でワールドカップが開かれていた。空港から乗ったスコットランド出身のタクシー運転手が「イングランドだけには絶対負けたくない」と語気を強めていたのを思い出す。

 歴史的に軋轢を繰り返し、今は落ち着いている北アイルランドと共和国の国境が、英国がEUから〝合意なき離脱〟の場合、再び平穏を乱す恐れがあるという。そんなことも気になる今回の大会だ。(E)

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