中核病院が来年3月末で分娩休止 11月から院内に掲示 4月以降出産の妊婦は他病院へ

2019.10.28
ニュース丹波篠山市地域産科問題

分娩休止について議論された市と医大の公式協議=兵庫県丹波篠山市網掛で

兵庫県丹波篠山市にある兵庫医科大学ささやま医療センター産婦人科の分娩休止問題を巡る市と医大の3回目の公式協議がこのほど開かれた。医大側は改めて来年3月末をもって分娩休止の意向を示し、11月1日から医療センター内に休止を伝える掲示を行うことを報告した。酒井隆明市長は取材に対し、「了解できるものではないが、やむを得ない」とした。

医大によると、すでに産婦人科を受診し、分娩予定日が来年3月11日以降になる妊婦には、近隣の病院やクリニックなどを紹介する予定。4月以降も産科医2人体制は継続し、妊婦健診など分娩以外の診療は続ける。

分娩休止問題を受け、市は市民も交えた今後の分娩体制についての検討会を開いており、医大も協力を求められれば応じるという。

医大の太城力良理事長は協議後、取材に応じ、「我々も丹波篠山市のことは大事に思っているが、医師不足や働き方改革、そして、妊婦の安心安全な分娩を行うためには、現在の状況では継続できない。産科医は全国的に不足しており、県内でも2人体制でやっている病院はない。限られた(人的)資源をいかに使うかが問題で、産科医は集約が進んでいる」とした。

「『休止』ということは再開もあり得るのか」との問いには、「非常に難しい」とした。

酒井市長は、「分娩ができてこそ、市の中核病院。だからこそ支援(年間1億2600万円)もしてきた」と言い、「今後も医大にも協力を求める可能性はあるし、市民を見守り続け、産婦人科を大事にしていってもらいたい」と話した。

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