酷道429号

2019.10.27
未―コラム記者ノート

 6日号弊紙丹波版で、丹波市青垣町と福知山市を結ぶ国道429号「榎峠」をバイパス化(一部トンネル)することが決まった、と報じた。事業は来年度着手、2026年度完了予定という。榎峠は昼なお暗い杉木立の中にあるつづら折りの狭路。地元の人でさえ通行をためらう難所であるため、バイパス化は地域の念願だった。このように、車の通行が困難なほど酷い状態の区間を有する国道のことを、一部の人たちは“親しみを込めて”「酷道」と呼ぶ。

 「一部の人たち」というのはバイク乗りに多く、私もその一人。車と比べ機動力に優れるバイクだからこそ、容易に通行を許してくれる酷道。同じ意味合いで「県道→険道」「府道→腐道」「市道→死道」とも。私はツーリングに出かける際、遠回りになるが、わざわざ酷道や険道をつないで目的地を目指すほど熱を入れている。近場では京都市左京区鞍馬の国道477号も知られる。「えっ、これが国道?」という驚きと非日常空間を堪能できるが、「皆さんもぜひ」とは絶対におすすめしない。酷い道、険しい道であることを覚悟の上、「すべては自己責任で」。(太治庄三)

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