ひきこもり相談「年齢不問」 就労継続支援所が新事業 「0・1歩でも踏み出す手伝いを」

2020.01.28
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ひきこもりの相談を新たに始めたネクステの大槻社長=兵庫県丹波市柏原町母坪で

就労継続支援事業所やグループホームを運営する兵庫県丹波市の「ネクステ」(大槻真也社長)が新たに、年齢不問のひきこもりの無料相談「たんばひきこもりネット」を始めた。電話やメール、SNSなどで相談に乗る。「本人や家族に気軽に相談してもらい、悩みや生きづらさの解消、軽減に役立ててもらえたら」と話している。

社会福祉士で、精神保健福祉士の大槻社長(48)が相談員を務める。障がい者の就労を支援する中で、長年ひきこもっていた人らと出会い、社会貢献事業として取り組むことにした。

当面、同社が行うのは、▽相談(電話、メール、SNS)▽居場所の提供▽働く訓練―の3つのメニュー。

就労を希望する人は、同社が行う事業所内での作業をはじめ、清掃業務に従事。また、職員が付き添って社外の事業所で就労訓練を受ける機会を無料で提供する。

当初は、就労こそが出口と考え、丹波地域で唯一の「就労訓練事業」の県認定を受けた。しかし、ひきこもりを深く学ぶにつれ、訓練はもとより、対面で人と接することにもハードルがあることや、例えば40歳に達すると支援施策の対象外になるといった制度の壁にも直面。相談事業と居場所づくりを優先して取り組むよう考えを改めた。

全国的に取り沙汰されている80歳になった親が年金で50歳の子を養う「8050問題」は同市内にもあると見ており、大槻社長は、「本人や、親が一歩と言わず、半歩でも0・1歩でも踏み出す手伝いができれば」と言う。「極端な話、ひきこもりを続けようという人でも、無収入の状態を続けるよりは、生活保護を受給した方が将来につながる。その手続きができるようにつなぐ。また、女性の抱える問題は、家事手伝い、主婦という形で男性より見えづらいが、同じ問題が生じている。女性だけの居場所もつくっていきたい」と話している。

相談は、メール(tambahikinet@gmail.com)、ラインID(tamhiki01)などで。

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