「この歴史、後世に」 鉱山事故で犠牲の朝鮮人を慰霊 歴史伝える銘板も設置

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朝鮮人とみられる鉱山事故犠牲者の慰霊碑の前で営まれた法要=2020年3月3日午前10時8分、兵庫県丹波篠山市福井で

昭和23年(1948)に起きた落盤事故で亡くなった朝鮮人とみられる3人の慰霊碑がある兵庫県丹波篠山市福井の豊林寺で事故発生日の3日、慰霊祭と歴史を伝える銘板のお披露目会が開かれた。静かな境内に読経の声が響き始めると雨が降り始め、同寺の北野諦圓住職(47)は、「法要の時に雨が降るのは相手に思いが伝わっている証拠ともされる」と言い、「この歴史を後世に伝えていきたい」と話していた。

 

 慰霊碑は48年3月3日に、戦前から戦後にかけて「珪石」が採掘された丹波篠山市下筱見地区にあった「鳥山鉱山」で起きた落盤事故で亡くなった犠牲者を弔うもの。慰霊碑は高さ約1メートルで、右側面に「殉職者名」とし「武田三童」「上野三郎」「金本容鎬」の名が記されている。建立者や年月日などは書かれていない。
 市内で在日コリアンの足跡などを調査している市民グループ「銘板設置の会」が関係者の証言をもとに、同寺で安置されていた慰霊碑を発見した。当初はほかの供養塔と共に並んでいたが、同会の調査などを受け、北野住職が檀信徒の協力を得てお参りしやすいようにと整備している。

歴史を伝える銘板も披露された

同会は市内の在日コリアンの足跡地に銘板を設置しており、同寺境内には縦60センチ、横80センチの銘板を設置。市民からの寄付も寄せられ、7カ所目となる銘板が完成した。

 法要には同会メンバーのほか、檀信徒など地元住民らも参加。北野住職の読経に合わせて焼香し、慰霊碑にも手を合わせた。
 続いて寄付金などをもとに作られた銘板が披露され、同会の松原薫さん(72)=同県丹波市山南町=は、「在日コリアンの話には差別の話も出てくるが、調査したこの地区では、『同じ命をかけて穴に入っているのだから、日本人も朝鮮人もない』という声を聞いたのが印象深い。これからも調査を続けるので、情報があればぜひ教えてほしい」と呼びかけていた。
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