「異議あり」は公民館に電話 自治会の総会「三密」どう回避? ネットで生配信の地域も

2020.04.08
ニュース丹波市

兵庫県丹波市横田自治会の総会ネット配信の告知画面。視聴にはパスワードが必要で、部外者は見られない仕組み

自治会の総会のシーズンを迎えている。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、密閉、密集、密接を避けることが求められており、多くの自治会が、総会の開催方法で頭を悩ます中、兵庫県丹波市の横田自治会は同自治会公民館で開いた予算決算総会を、インターネットで生配信した。「ネット利用」「会場に足を運ぶ」「委任状」と3つの中から好きな方法で会員に審議してもらう。

「三密」を避けつつ、住民が総会に参加できる方法をと、ネット配信を思い付き、同市の成人式をネットで生配信した地域ラジオ局「FM805たんば」に相談。ちょうど同FMも新型コロナウイルスの影響で、開催の是非を思案している講演など各種イベント主催者に、「ラジオとネットで配信できる」PRを始めようとした矢先で、技術協力した。

配信には、無料動画配信サイト「You Tube Live」を利用。閲覧にはパスワードが必要で、横田自治会員にパスワードを伝え、「ネット総会」を告知する同自治会の谷口敏夫会長のあいさつ動画を試験配信し、本番に備えた。

会場出席者もいたため、総会は通常どおり運営。執行部が提案議案を朗読し、「承認を求めます」と発言。議案に異議がある、ネット参加の自治会員は、同公民館に電話し、執行部とやり取りし、意見を述べた。電話がない場合は承認とみなした。

同FM運営法人の前川哲和副理事長によると、同時通話(チャット)機能を使えば、電話は不要だが、中高齢者がネット配信を抵抗なく利用できるようにと、意見陳述にあえて電話を使うことにしたという。

約170戸ある同自治会の公民館は、全員を収容するには手狭。総会は例年、委任状出席も多く、会場に集まるのは半数ほどという。

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