感染防止+”おしゃれ”に 手作りマスクは衣類に? 小池知事の生地や冷感加工布が人気

2020.06.20
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さまざまな生地でマスクを試作した山下店長=2020年6月14日午後4時56分、兵庫県丹波市氷上町朝阪で

新型コロナウイルスの感染拡大で着用が必須になったマスク―。不織布マスクの品切れが解消されつつある今も、手作りマスクの材料を求めて手芸店を訪れる人は減っていない。蒸し暑い日が続く中、“涼しい布”のニーズが高まっているのが一因だ。また小池百合子・東京都知事が着けていたマスクの生地を探すなど、マスクを作る目的が当初の「感染防止」から「おしゃれ」へと変わった人も増えているようだ。マスクが「衣類」の一つになりつつあるともいえる。

 政府から配布されたマスクのように、これまで布マスクの生地は「ガーゼ」がほとんどだった。ガーゼは、吸水性、保湿性にすぐれ、肌触りが良いのが特長だが、今年は夏場にマスクを着けなければならない状況のため、これまでになく「涼しさ」が求められている。

小池知事の着用で人気が出ている「綿レース」生地

兵庫県丹波市柏原町にある「手芸の丸十柏原店」(吉川恭子店長)では、「冷感加工」の生地が入荷すると、「あっという間にほぼ完売」という状況。メーカーの加工待ちになっているという。

 浴衣や甚平によく使われている「リップル」や「サッカー」、「しじら織り」といった凹凸のある夏向けの生地も、今年は「マスク用」に買っていく人が多いそう。
 今も問い合わせが一番多いのが、小池知事が着けていた布マスクで話題になった「綿レース」生地。「最近はおしゃれなこだわりマスクを作る方が多い。好みの柄、素材をうまく組み合わせて楽しんでおられます」と吉川店長。好みの柄で作ってプレゼントする人もおり、手作りマスクはもはやファッションの一つにもなっていると言えそうだ。
 手作りマスクの材料になっている、さまざまな生地の中で「一番涼しい」のはどれなのだろうか。
 表布、裏布の組み合わせパターンを変えながらたくさんのマスクを試作した同市「ほのぼの手芸のヤマシタ」の山下さつき店長(42)は、「凹凸のある生地は涼しいと思いますが、肌が敏感な人は顔に当たると気になるかもしれません。吸湿・速乾を売りにした生地でも、通気性が低そうな物も。結局は、感じ方に個人差があるので、どれが一番おすすめというのは難しいですね」と話していた。

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