「食べる血液」ケチャップに 西洋野菜ビーツを加工 国産品市販ほぼなし、自家加工

2020.08.26
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無農薬で自家栽培したビーツを手にする西野さん=2020年7月21日午前7時47分、兵庫県丹波市柏原町北中で

ロシア料理ボルシチの材料として知られ、ミネラル(無機質)が豊富で、鮮やかな赤紫色から「食べる血液」とも言われる西洋野菜、ビーツを使ったケチャップを、「ペッパーまきの」(兵庫県丹波市柏原町北中、西野裕子代表)が製造、販売している。色や使い方はトマトケチャップと似ているが、甘酸っぱい風味や栄養価は別物。国内の大手食品メーカーは商品化しておらず、国産はほとんど市販されていない珍しい調味料。丹波市のPRに一役買いたいと考えている。

 

自宅に隣接する加工場で、ビーツをケチャップに加工。水は使っていない

ビーツは、国内でも生産拡大中の西洋野菜。ホウレンソウの根の部分と同じ赤紫色の色素「ベタシアニン」を持つ。コレステロールの低下作用がある水溶性食物繊維や、血圧降下作用があるカリウム、鉄、亜鉛、葉酸など無機質(ミネラル)をトマトの2倍以上含む。ビタミンはトマトの方が多い。

西野さんは2007年、同県西宮市から夫の実家にUターン。栄養価が高い料理で両親や家族の健康を支えようと、10年ほど前にビーツ栽培を始めた。ボルシチのほか、スープ、カレーなどに使っていたが、生野菜の旬は短い。3年ほど前に、ケチャップに加工しておけば栄養価はそのままに手軽に使えるのではと思いついた。

丹波市商工会の起業塾を受講し、新規起業を目指す人や市内事業者の経営サポートを行う「Bizステーションたんば」の相談会で専門家の助言を受け、昨年、商品化に取り組んだ。

「ビーツケチャップ」の商品

国内には類似品が見当たらないため、輸入品で味を確かめたり、神戸市のロシア料理店で味をみてもらったりして、香辛料の量などが異なる2種類のケチャップを作った。水は一切使わず、自身が無農薬栽培したビーツ、タマネギ、ニンニクを、香辛料、酢、砂糖、塩で調味している。一鍋一鍋手作りの味だ。

そのままソースとして肉、魚、野菜にかけるだけでなく、万能調味料として、ソテー、揚げ物、お好み焼きソース、ナポリタン、カレーの隠し味など多様な使い方ができるという。

「丹波市内で他にビーツケチャップを作る人が出てきたらいいし、ビーツケチャップナポリタンののぼりを立て、市内の喫茶店のどこででも食べられるというようになっても面白い。栄養価が高い野菜なので、丹波のイメージに合うと思う」と話していた。

食べ方はウェブサイト「丹波ベジキッチン」で。1瓶1836円(220グラム、税込み)。

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